前回は、フォルダの状態を5段階に分けて、レベル3までを見ました。
レベル3は「置き場が決まっていて、他人に引き継げる」状態です。仕事としては、かなり快適だと思います。
ただ前回の最後に、ひとつ引っかかることを書きました。
ここまでの整理は、全部「人のため」だった。
今回はその続きです。相手がAIになると、何が変わるのか。
AIは、目で探さない
私たちがファイルを探すときは、目で見て、記憶をたどります。
「たしか去年の秋ごろに作ったな」とか「あのフォルダの下のほうにあったはず」とか。
日付が古くても、中身を開けば「あ、これは差し替え前だ」と分かります。
AIはこれをやりません。フォルダ名とファイル名を読んで、判断します。
だから名前が正しくないと、堂々と間違えます。悪気はないんですよね。渡された名前を信じているだけなので。
名前とパスが、そのまま文脈になる
たとえば、こんな場所にファイルが置いてあるとします。
コンテンツ/シリーズ企画/確定申告/
ここには情報が3つ入っています。
これはコンテンツで、シリーズものの企画で、確定申告の話だ。
人も同じように読み取れます。ただ、いつも使う場所って、名前を読まずに手が覚えていますよね。
AIは逆で、毎回この名前を読むところから始めます。何も説明していないのに、もう伝わっている。つまりフォルダ名は、**いちばん短いプロンプト**なんです。
人には深い階層は面倒なのに、AIには情報が増える。逆転が起きているんですよね。
レベル4 ― AIを迷わせない
ここが分かれ目だと思っています。レベル3との違いは、たぶん4つ。前半の2つは「迷わせない」ための条件です。
正が1つだけになっている。
同じ計画書の新旧が、どちらも普通の名前で並んでいたとします。作った本人は覚えているので、まだ区別できます。
でも、作業の流れでコピーや複製って増えていきますよね。そうなると人でも間違える。AIは中身の記憶がないぶん、もっと確実に間違えます。
名前に状態が入っている。
作業中なのか、確定なのか、差し替え済みなのか。名前に出ていれば、AIは開かなくても判断できます。
レベル4 ― AIに置き場を教える
後半の2つは、置き場の話です。
フォルダに説明書が置いてある。
そのフォルダが何のためで、何をどこに置くのか。人には要らない情報でも、AIには要ります。新しく入った人にもそのまま効きます。
成果物の置き場が、先に決まっている。
これが一番大事かもしれません。決めていないと、AIは自分で決めた場所に作ります。
前回書いた「AIに任せると散らかる」の正体は、だいたいこれです。
なおAIに見せる範囲が決まっていることも要件なのですが、長くなるので次回に。
整理のルールが、実行されるようになる
ここからが、たぶん一番の変化です。
これまで命名ルールって、「守ろうね」で終わっていたと思うんです。
守っても得をするのは半年後の自分だけなので、正直、続かない。
整理が続かないのは、意志が弱いからじゃなくて、見返りが遅いからだと思っています。
ところがAIが相手だと、ルールがそのまま動きの合図になります。
差し替え済みの印が付いたものは片付ける。確認が済んだものは決まった場所へ移す。
人が守るルールではなく、AIが実行するルールに変わるんですよね。
見返りが、半年後じゃなくてその日に来ます。
レベル5 ― フォルダが勝手に片付く
そうなると、自分の仕事の内容も変わります。
私は自分のサイトの運用で、作ったものを一度「確認箱」に集めています。そこでOKを出したら、決まった場所に移る形です。
移動は私がやりません。私がやるのは、見てOKと言うことだけです。
片付けが作業ではなくなって、勝手に維持される状態になりました。
捨てなかったものが、教科書になる
もうひとつ、レベル5らしいなと思うことがあります。
自分の確定申告を片付けたとき、去年の分の仕訳をそのまま参考にしてもらいました。
過去の記録が、資料ではなく手本として働いたわけです。この話は近いうちに別の記事で詳しく書きます。
レベル2のころ、古いファイルはただの邪魔者でした。それが資産に変わる。
この差は、けっこう大きいと思います。
整理は、自分のためにやるものだった
まとめると、こういうことなんじゃないかと思っています。
昔の整理は、自分が探しやすくなるためのものでした。だから後回しにできたし、実際ずっと後回しにしてきました。
いまの整理は、AIに働いてもらうためのものです。しかも一度整えると、毎回効きます。
自分ひとりが速くなるのではなく、手伝ってくれる相手の精度が上がる。
同じ「フォルダを整理する」でも、意味がまるで違うんですよね。
それでも、まず片付けなきゃいけないのか
ここまで読んで、こう思われたかもしれません。
「うちはレベル1だから、まず片付けてからだな」
たぶん、それだと一生始まりません。私もずっとそうでした。
でも、いまは順番が逆でいいと思っています。
散らかっているから、AIを使えないんじゃない。散らかっているからこそ、AIに整理させる。
何年も放っておいたフォルダを、一日で
私が管理していたある仕事のフォルダは、本体が三階層の奥に埋まっていました。
画像素材は6か所に散らばって、容量も数十GBまで膨らんでいた。
何年も見て見ぬふりをしていた場所です。散らかしたのは、ほかでもない私です。
それをAIと一緒に、一日で組み替えました。
何がどこにあるか調べて、どこに移すかの一覧を作って、実際に動かして、壊れていないか確認する。
人ひとりだと気が遠くなる作業ですが、そこはAIが得意な仕事でした。
順番にレベルを上げていく必要は、たぶんもうありません。階段は飛ばせます。
ただし、方針だけは人が決めます
正直なところも書いておきます。
AIは並べ替えはできます。でも何のために並べるのかは決められません。
さっきのフォルダも、やったことの半分は「どういう順番で並べるか」を私が決める作業でした。
売上を増やすための並びなのか、事務を止めないための並びなのか、現場を回すための並びなのか。
ここが決まらないと、AIは動きようがない。
だから丸投げにはなりません。決めるのは人、動かすのはAI。
この分担が、いまのところ一番しっくりきています。
次回 ― で、それってセキュリティ的に大丈夫なの?
ここまで読んで、たぶんこう思われたはずです。
AIにフォルダの中を見せて、それは大丈夫なのか。
会社の資料も、お客さんの名前も、そこには入っています。私も同じことを考えました。
次回はその話をします。「危ないからやめよう」でも「大丈夫です」でもなく、どこに線を引くかという話です。
自分で作ったアプリに鍵をそのまま書いていて、AIに指摘された話も出てきます。
あまり格好のいい話ではないのですが、いちばん伝わると思うので書きます。
最後に
もし「うちのフォルダ、どこから手をつけたらいいんだろう」と気になったら、無料相談で聞いてください。
片付いていない状態のままで大丈夫です。むしろそのほうが話が早いです。
LINEからでも同じように相談できます。相談は無料、しつこい営業は一切しません。
そもそもなぜ長崎の小さな会社がAIなのか、という話はこちらの記事に書いています。
まちのAI屋さん
