工場で働いたことのない私が製造業について知っているのは、「納期」という言葉の重さくらいです。それも、町工場の方と話していて教わったことです。
その方が言っていたのが「うちの工程表は、俺の頭の中にしかない」でした。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用事例を調べていたら、そこを変えた報告があったので、今日はその話です。
制度のことはまるわかり編と申請の流れ編にまとめてあります。
① 納期遅延が8割減ったという報告
支援機関のまとめ(IT整備士協会の事例集)に、こんな製造業の報告が載っています。
- 生産管理システムを入れた製作所で、納期遅延を80%削減。不良品率も5%から1%へ改善
- IoTセンサーを入れた金属加工の会社で、設備稼働率15%向上、突発停止を年間30件削減
- トレーサビリティシステムを入れた食品工場で、原材料管理の工数が半減
納期遅延8割減というのは、作業が速くなったというより「どの注文がどこで詰まっているかが見えるようになった」結果だと思うんですよね。
詰まりが見えれば、遅れる前に手が打てる。不良品率の改善も同じで、数字が見えると原因の場所が絞れるわけです。

② もし自分の工場だったら
導入した工場の一日を考えてみました。現場を知らない人間の想像なので、「うちは違うよ」という部分があったらすみません。
朝、事務所のモニターに全部の注文の進み具合が並んでいる。ホワイトボードの書き換えも、現場を歩いて聞いて回るのもなし。
昼、取引先から「あの件どうなってます?」の電話。画面を見て、その場で「明後日出せます」と即答。
夕方、機械のひとつが「そろそろ調子が悪い」と数字で知らせてくる。壊れて止まる前に、段取りのいい日に手当てを入れる。
急な注文が来ても、どこに空きがあるかが見えるので、「いつならできる」がすぐ言える。

③ 「いつできる?」に即答できるのは、信用になる
個人的に一番大きいと思うのはここです。取引先からの「いつできる?」に、勘ではなく数字で即答できること。これ、そのまま会社の信用なんですよね。
無理な注文を受けて落とすより、「この日ならできます」と言い切れる会社のほうが、次も声がかかるはずです。
それと、ベテランの頭の中にしかなかった段取りが画面に残るのも大きいと思います。工程の組み方って、その人の長年の判断の蓄積じゃないですか。それが会社の資産として残って、若手が見て学べる。
これは実例ではなく私の勝手な想像ですが、長崎だと造船関連の下請けをされている工場も多いので、図面や検査記録のやり取りが電子でつながるだけでも、元請けとの関係で強みになるんじゃないでしょうか。
実際の現場の方がどう感じるか、むしろ聞いてみたいです。
④ これ全部、補助金の対象
生産管理、受発注管理、在庫管理、原価管理。どれもデジタル化・AI導入補助金の対象です。通常枠なら費用の1/2が補助されます(最低賃金近傍の事業者は2/3)。
締切は1〜2か月ごとに設定されているので、最新の日程は公式サイトの事業スケジュールで確認してください。準備に2週間かかるものがあるので、気になった方は早めにどうぞ。
まとめ
- 生産管理システムで納期遅延80%削減・不良品率5%→1%という報告がある(支援機関まとめ)
- 効くのは「速くなる」より「詰まりが見える」こと。見えれば遅れる前に手が打てる
- 「いつできる?」への即答は会社の信用になる。ベテランの段取りは会社の資産として残る
- どれも補助金で半額〜
「うちの工場だと、どうかな?」と思ったら
ものづくりのことは、間違いなくあなたのほうがプロです。私が知っているのは道具と補助金のことなので、掛け合わせたら何かできるかもしれません。
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まちのAI屋さん
