小売店の仕事で私が一番大変そうだと思うのは、閉店後の棚卸です。お客さんが帰った後の店内で、商品を数えて、帳簿と突き合わせて、合わない数を探して。
自分でやったことがないからこそ、あれが定期的に来ると思うと気が遠くなります。
きっかけは公式事例集
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の公式事例集を読んでいたら、そこを変えた小売店の実例があったので、今日はその話です。制度のことはまるわかり編と申請の流れ編にまとめてあります。
① 棚卸時間が半分になる見込み、という実例
携帯電話などを販売するかがし屋さんという小売の会社が、この補助金で販売管理ツールを全店舗に入れて、棚卸時間が50%削減の見込みと報告されています(公式事例集より)。
「見込み」なのは導入したばかりの時点の事例だからで、逆に言うと、導入前からそれだけの効果が計算できるということでもあります。
棚卸って「数える→照合する」の繰り返しなので、バーコードを読めば数えると照合が同時に終わる。仕組みで考えると、半分になるのは不思議じゃないんですよね。
支援機関のまとめ(IT整備士協会の事例集)には、ほかにもこんな小売の報告があります。
- POSシステムを刷新したスーパーで、廃棄ロス率が8%から3%に改善
- ECサイトを作った酒販店で、売上が1.5倍

② もし自分の店だったら
導入した店の一日を考えてみました。店番をしたことがない人間の想像なので、「うちは違うよ」という部分があったらすみません。
レジを打つたびに、在庫の数字が勝手に減っていく。だから閉店後に数える量が減る。
発注の前にタブレットを見ると、売れ筋と動かない商品が数字で並んでいる。「先月これ、思ったより出たんだ」が見える。
常連さんの買っているものが記録に残るので、入荷したときに「あれ入りましたよ」とLINEで一声かけられる。
で、閉店後。棚卸が早く終わって、電気を消して帰る時間が早くなる。

③ 商圏が、店の場所から自由になる
個人的に一番夢があると思ったのはECです。さっきの「売上1.5倍になった酒販店」は、店の場所を動かさずに商圏を全国に広げたわけです。
小売店の売上って、基本的に「店の前を通る人の数」に縛られてきたと思うんです。ECはそこを外せる。
長崎の物産を扱っているお店なら、県外に出た長崎出身の人がお客さんになります。「あの店の、あれが買える」は、地元の店にしか作れない商品力です。
これは実例ではなく私の勝手な想像ですが、観光客が増えている長崎なら、多言語表示や免税対応のレジまわりも効きそうです。
旅行中に店で見て、帰国後にECで買ってもらう、という流れも作れるはずです。実際のお店の方がどう感じるか、むしろ聞いてみたいです。
④ これ全部、補助金の対象
POSレジ、在庫管理、ECサイト構築、キャッシュレス対応。どれもデジタル化・AI導入補助金の対象です。通常枠なら費用の1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3)。
レジ本体やタブレットなどの機器ごと入れたい場合は、インボイス枠だとハードウェアも対象になります。
締切は1〜2か月ごとに設定されているので、最新の日程は公式サイトの事業スケジュールで確認してください。準備に2週間かかるものがあるので、気になった方は早めにどうぞ。
まとめ
- 販売管理ツールの全店導入で棚卸時間50%削減見込み(かがし屋さん・公式事例)
- POS刷新で廃棄ロス8%→3%、EC構築で売上1.5倍という報告も(支援機関まとめ)
- ECは「店の前を通る人の数」の縛りを外してくれる。商品力は地元の店にしか作れない
- レジやタブレットの機器はインボイス枠なら対象。補助金で半額〜
「うちの店だと、どうかな?」と思ったら
商品とお客さんのことは、間違いなくあなたのほうがプロです。私が知っているのは道具と補助金のことなので、掛け合わせたら何かできるかもしれません。
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まちのAI屋さん
