私は建設現場で働いたことがありません。朝早くから体を動かして、日が暮れてから事務所に戻って、日報を書いて現場写真を整理して……という毎日を、本当のところでは分かっていないと思います。
きっかけは支援機関の事例集
ただ、AIやITの道具のことは仕事柄毎日調べています。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用事例を調べていたら建設業の報告が驚きの内容だったので、今日はその話です。
制度のことはまるわかり編と申請の流れ編にまとめてあります。
① 日報作成が9割減ったという報告
支援機関のまとめ(IT整備士協会の事例集)に、こんな建設業の報告が載っています。
- 現場管理アプリを入れた工務店で、日報作成の時間が90%削減。進捗がリアルタイムで共有できるようになった
- 3D-CAD・BIMを入れた建設会社で、設計変更への対応時間が60%短縮
- AR技術を使ったシステムを入れた設備会社で、施工ミスが70%減少
正直、日報9割減という数字を最初に見たときは「そんなに?」と思いました。
ただ、よく考えると日報って「現場で起きたことを、事務所に戻ってから思い出して書き直す」作業なんですよね。
現場でスマホから写真と一言を送るだけで日報の形になるなら、たしかに消えるのは「書き直し」の部分で、仕事そのものではないわけです。

② もし自分が現場を回していたら
事例を読みながら、導入した会社の一日を考えていました。現場を知らない人間の想像なので、「うちは違うよ」という部分があったらすみません。
朝から夕方まで、こう変わる
朝、現場に着いてスマホで写真を数枚。撮った写真は現場ごと・工程ごとに勝手に整理されます。
昼、設計変更の連絡が入る。最新の図面はその場で全員のスマホに届くので、「古い図面のまま作業してた」という事故が起きない。
夕方、現場を出る前にスマホに向かって今日の作業内容をしゃべる。それがそのまま日報になって事務所に飛ぶ。事務所に戻らず、直帰。
事務所側は、どの現場がどこまで進んでいるかを画面で見られるので、「今どうなってる?」の電話が減る。
「そんな単純じゃないよ」という部分も現場にはきっとあると思います。ただ、方向としては「体を使う仕事はそのまま、書類仕事だけが消えていく」という話なので、悪くない未来じゃないでしょうか。

③ 職人さんの経験が、写真と記録で残る
個人的に一番いいなと思ったのがここです。建設の仕事は「経験と勘」の塊だと思うんですが、それを言葉で若手に伝えるのは大変ですよね。
現場写真と作業記録が毎日たまっていくと、それ自体がベテランの仕事の記録になります。「この工程のときに、この人はここを見ていた」が残る。
口で説明しなくても、記録が教材になる。人手不足で若手を早く育てたい業界だからこそ、効くはずです。
あと、「言った言わない」が減るのも地味に大きいと思います。現場と事務所、元請けと下請けのやり取りが記録に残るので。
長崎だと、どうか
これは実例ではなく私の勝手な想像ですが、長崎は斜面地の現場や離島の現場が多いので、「現場に行かないと状況が分からない」の負担が他の県より大きいはずです。
写真と進捗がスマホで共有されるだけで、移動の時間がかなり浮くんじゃないでしょうか。このへんは実際の現場の方がどう感じるか、むしろ聞いてみたいです。
④ これ全部、補助金の対象
現場管理アプリ、工程管理、見積・積算ソフト、図面管理。どれもデジタル化・AI導入補助金の対象です。通常枠なら費用の1/2が補助されます(最低賃金近傍の事業者は2/3)。
締切は1〜2か月ごとに設定されているので、最新の日程は公式サイトの事業スケジュールで確認してください。申請の段取りは申請の流れ編に書きました。
準備に2週間かかるものがあるので、気になった方は早めにどうぞ。
まとめ
- 現場管理アプリで日報作成90%削減という報告がある(支援機関まとめ)。消えるのは書き直し作業で、仕事そのものではない
- 最新図面の共有で「古い図面のまま作業」の事故が防げる
- 毎日の写真と記録が、ベテランの経験を若手に引き継ぐ教材になる
- どれも補助金で半額〜。締切は1〜2か月ごと
「うちの現場だと、どうかな?」と思ったら
現場のことは、間違いなくあなたのほうがプロです。私が知っているのは道具と補助金のことなので、掛け合わせたら何かできるかもしれません。
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まちのAI屋さん
