毎月払っている同じお店の支払いが、7件ありました。
AIに勘定科目を付けさせたら、会議費・雑費・通信費・消耗品費・仕入高の5つにバラけていた。
同じ店なのに、です。
AIの答えが当たったり外れたり、運まかせだと感じたことはありませんか。
先に結論です。
AIの精度は頭の良さではなく、「何を参照させるか」で決まります。
今回参照させたのは、去年の自分の帳簿でした。
① AIの推測は、なぜバラつくの?
第1回で書いた、未仕訳449件の処理の途中の話です。
何も渡さずに科目を推測させると、AIは明細の文字だけで判断します。
毎月の同じ支払いが「会議費」になったり、ホテル代が「通信費」になったりした。
AIチャットの月額9件が、事業主貸と仕入高に割れた例もありました。
AIが悪いわけではないです。
明細の短い文字列だけでは、判断の手がかりが足りないんです。
人間の新入社員に明細だけ渡しても、きっと同じことが起きますよね。
② 去年の帳簿1,331件を、全部読ませた
手がかりを渡すことにしました。
去年1年分の仕訳1,331件をAIに全件読ませて、摘要ごとに科目を集計させた。
数分で、こんな一覧が返ってきました!
| お店・摘要 | 去年の科目 | 件数 |
|---|---|---|
| ENEOS | 車両費 | 18件 |
| Amazon購入品 | 消耗品費 | 48件 |
| APPLE COM BILL | 通信費 | 17件 |
去年の自分が、どの店をどう処理してきたかの一覧表です。
1,331件を人が読み直すのは、現実的ではないです。
読む・数える・集計するは、AIがいちばん得意な仕事でした。
③ 推測させず、「去年の自分」に合わせる
この一覧ができてからは、判断のさせ方が変わりました。
ENEOSは、去年18件すべて車両費だった。
なので今年も車両費に入れる。
AIに推測させるのではなく、去年の自分の処理に合わせさせる。
これだけで、科目のバラつきはほぼ消えました。
ただ、ひとつ注意があります。
去年の処理が間違っていれば、今年も同じ間違いを繰り返します。
去年の自分は教科書として便利ですが、正解とは限りません。
科目の扱いに迷うものは、税理士さんに確認するのが確実です。
④ 判断基準を持っているのは、いつも過去の自分
これ、会計に限らない話だと思っています。
見積の値付け、メールの返し方、クレームの対応。
「うちのやり方」の基準を持っているのは、いつも過去の自分です。
過去の見積書、過去のメール、過去の対応記録。
AIに社内の判断基準を教える教科書は、すでに社内にあります。
AIを入れる準備というと、新しい何かを揃える話に聞こえますよね。
実際に効いたのは、いままでの記録を読ませることでした。
まとめ
- 手がかりなしで推測させると、同じ店でも科目がバラつく
- 去年の仕訳1,331件を読ませ、「去年の自分の処理」に合わせたら安定した
- 判断基準の教科書は過去の記録の中にある。これは会計以外でも同じです
この記事は、AIツールを実際の業務に使ってみた記録です。筆者は税理士ではありません。
記事中の勘定科目の扱いは筆者の判断によるもので、正しい処理はお近くの税理士にご確認ください。
個別の税務相談にはお答えできません。
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