介護や医療の現場で、私は働いたことがありません。体力も気力も使う仕事だということを、話に聞いて想像することしかできない立場です。

きっかけは支援機関の事例集

ただ、現場の方から「記録に追われて、利用者さんとゆっくり話す時間がない」という話を聞くことがあって、それはずっと引っかかっていました。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の活用事例を調べていたら、そこへの答えになりそうな報告があったので、今日はその話です。
制度のことはまるわかり編申請の流れ編にまとめてあります。

① 夜間巡回の負担が半分になったという報告

支援機関のまとめ(IT整備士協会の事例集)に、こんな報告が載っています。

  • 見守りシステムを入れた介護施設で、夜間巡回業務が50%効率化。スタッフの負担軽減と安全性の両立
  • 電子カルテを入れた医院で、診療時間25%短縮、待ち時間も削減
  • 在庫管理システムを入れた薬局で、発注業務の工数70%削減、期限切れロスも最小化

夜勤の見回りって、「何もなくても全部の部屋を回る」仕事ですよね。見守りセンサーがあると、様子を見に行くべき部屋が分かる。
全部を回る夜から、必要なところに行く夜に変わる。
スタッフの負担が減るだけじゃなくて、転倒などの異変に早く気づけるようになるのが、この道具のいいところだと思います。

介護・医療の実例。夜間巡回5割効率化、診療時間25%短縮、発注工数7割減

② もし自分が現場にいたら

事例を読みながら、導入した施設の一日を考えてみました。現場を知らない人間の想像なので、「うちは違うよ」という部分があったらすみません。

日中の記録は、その場でタブレットに短く入れる。あとでまとめて思い出しながら書く「記録の時間」が縮む。

申し送りは、記録が画面に整理されているので、口頭で全部説明しなくていい。

夜勤は、センサーの通知を見ながら、様子を見に行くべき部屋から回る。

で、浮いた時間はどこに行くかというと、利用者さんの隣に座って話す時間になる。道具が増えると人が冷たくなるんじゃなくて、逆なんですよね。 事務作業が減った分だけ、人にしかできない仕事に時間が戻る。

タブレットを置いて利用者の隣に座って話す介護スタッフのイラスト

③ 「人にしかできない仕事」に時間が戻る

個人的に、このシリーズで一番書きたかったのがこの業種です。というのも、介護や医療って「AIに仕事を取られる」という話から一番遠い仕事だと思うからです。

手を握る、表情の変化に気づく、家族と話す。ここはどうやったって人の仕事です。道具にできるのは、その周りに積もった記録・集計・報告を引き受けることだけ。
つまりこの業界では、道具を入れることが、そのまま「本来の仕事に戻ること」になるわけです。

これは実例ではなく私の勝手な想像ですが、坂の多い長崎の訪問介護なら、訪問ルートと記録がスマホひとつにまとまるだけでも、移動と事務の負担がだいぶ変わるんじゃないでしょうか。
実際の現場の方がどう感じるか、むしろ聞いてみたいです。

④ これ全部、補助金の対象

介護記録ソフト、見守りシステム、電子カルテ、レセプト、シフト管理。どれもデジタル化・AI導入補助金の対象です。通常枠なら費用の1/2が補助されます(最低賃金近傍の事業者は2/3)。

締切は1〜2か月ごとに設定されているので、最新の日程は公式サイトの事業スケジュールで確認してください。準備に2週間かかるものがあるので、気になった方は早めにどうぞ。

まとめ

  • 見守りシステムで夜間巡回50%効率化、電子カルテで診療時間25%短縮という報告がある(支援機関まとめ)
  • 「全部の部屋を回る夜」から「必要な部屋に行く夜」へ。負担軽減と安全性は両立できる
  • 事務が減った時間は、利用者さんと向き合う時間に戻る。道具の導入が本来の仕事への回帰になる業界
  • どれも補助金で半額〜

「うちの施設だと、どうかな?」と思ったら

現場のことは、間違いなくあなたのほうがプロです。私が知っているのは道具と補助金のことなので、掛け合わせたら何かできるかもしれません。
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