私は飲食店で働いたことがありません。
夜10時にのれんをしまってから、レジを締めて、伝票を数えて、留守電の予約を聞き直して……という毎日の大変さを、本当のところでは分かっていないと思います。
きっかけは公式事例集
ただ、AIやITの道具のことは仕事柄毎日調べています。
この前、デジタル化・AI導入補助金の公式事例集を読んでいたら飲食店の事例がすごかったので、今日はその話です。
手続きのことはまるわかり編と申請の流れ編に書いたので、この記事では「使うと何が変わるのか」だけ書きます。
① 焼肉屋さんの実例
焼肉店などを展開する杏亭グループさんが、この補助金(当時はIT導入補助金)でセルフレジとオーダーツールを入れた結果です(中小機構の公式事例より)。
- 会計ミスが9割減
- 食材ロスが4割減
- 客単価が2割アップ
正直、最初は「盛ってない?」と思いました。
でも出どころは国の公式事例集です。
しかも道具を入れただけでこうなったわけではなくて、数字が見えるようになったのを活かして、仕込みやメニューを変えていった結果だそうです。
すごいのは道具ではなく、使いこなしたお店の側なんですよね。
ただ逆に言うと、道具がないとその工夫のしようもない、ということでもあります。
② もし自分の店だったら
事例集を読みながら、導入した店の一日を考えていました。飲食店経験のない人間の想像なので、「うちは違うよ」という部分があったらすみません。
朝、店に着くとタブレットに昨夜の予約が入っている。電話が鳴らない深夜に、勝手に入っていたやつです。留守電の聞き直しも、予約帳への書き写しもない。
昼のピークは、注文がテーブルのQRコードからお客さん自身で入って、厨房のモニターに直接飛ぶ。聞き間違いで作り直し、が起きない。
夕方、仕込みの前にタブレットを見ると、今日よく出た品と余りそうな食材が数字で見える。
夜9時半、最後のお客さんを見送ってレジ画面の「締め」を押したら、集計はもう終わっている。10時に電気を消して帰る。
支援機関の数字
現場には「そんな単純じゃないよ」という部分もきっとあると思います。
ただ、支援機関のまとめには、セルフオーダーの導入で回転率30%向上・人件費15%削減という飲食店の報告が載っています。
予約・顧客管理システムでリピート率25%向上という報告もあります(IT整備士協会の事例集)。
方向としては夢物語ではなさそうです。

③ 勘の答え合わせができる
個人的に一番いいなと思ったのがこれです。
長くお店をやっている方の勘は本当にすごいと思います。
「今日は雨だから○○は仕込まない」という判断を、何の道具もなしに毎日やっているわけなので。
POSレジや在庫管理が入ると、その勘の答え合わせができるようになります。
当たっていた勘は数字で裏付けられて、自信を持って若い人にも引き継げる。
外れていた部分だけ、そっと直せる。
杏亭グループさんの「食材ロス4割減と客単価2割増が同時に起きた」は、たぶんこれです。勘と数字の合わせ技。長年の勘に、道具がやっと追いついてきたんだと思います。
長崎での想像
これは実例ではなく私の勝手な想像ですが、長崎なら多言語対応のQRメニューを置くだけで、増え続けている外国人観光客の注文が「指差しと身振り」じゃなくなります。
ランタンフェスティバルの時期だけ予約枠を変える、みたいなことも画面の設定でできるはずです。
このへんは実際のお店の方がどう感じるか、むしろ聞いてみたいです。

④ これ全部、補助金の対象
ここまでに出てきたセルフレジ、QRオーダー、POS、在庫管理、予約・顧客管理は、どれもデジタル化・AI導入補助金のど真ん中の対象です。
通常枠で費用の1/2、小規模事業者なら2/3。
レジやタブレットの機器ごと欲しい場合はインボイス枠もあります。
杏亭グループさんの事例も、この補助金を使ったものです。
制度の全体像はまるわかり編、手続きの段取りは申請の流れ編にまとめてあります。
次の締切は8月25日で、準備に2週間かかるものがあるので、気になった方は早めにどうぞ。
まとめ
- セルフレジ+オーダーツールで会計ミス9割減・食材ロス4割減・客単価2割増(杏亭グループさん・公式事例)
- すごいのは道具ではなく使いこなしたお店の側。ただ、道具がないと工夫のしようもない
- 数字が見えると、長年の勘の答え合わせができる
- どれも補助金で半額〜。次の締切は8月25日
「うちの場合はどうかな?」と思ったら
お店のことは、間違いなくあなたのほうがプロです。
私が知っているのは道具と補助金のことなので、掛け合わせたら何かできるかもしれません。
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